証券会社の勧められるままに投資信託を購入そして…
A.Sさん(60代)
あれは、バブル崩壊の直前、平成元年の12月の上旬頃だったと記憶しています。昼休みに証券会社の社員が営業で職場に来て、投資信託のパンフレットを配っていました。
当時、ボーナスの預け先をどこにするか迷っていたわたしは、証券会社の営業社員の強い勧めで、投資信託の内容や株のこともまったく知らなかったにもかかわらず、投資信託を勧められるまま50万円購入してしまったのでした。
今振り返ると当時の東京証券市場はまさにバブル真っ只中。わたしは、株価が一番値が上がった時に購入してしまったのです。
このことは、株のことを少し勉強をしてから分かったことでした。
投資信託を購入してまもなく、バブルははじけ株価は急落。あっという間にわたしが購入した投資信託の価値は半分になってしまいました。
購入した投資信託は、4年満期のため解約することもできず、さらに下がり続ける株価を眺め続けるしかありませんでした。
その後わたしは転勤し、投資信託のことは考えないようにしていました。
ある日突然証券会社から電話があり、「購入した投資信託が満期となり、今後の運用をどうするのか」との内容でした。
そして、「証券会社からは、4年前に購入した投資信託を解約し新たな投資信託を購入してはどうか。」と勧められました。
わたしは、このまま放っておいても仕方がないので、勧められるまま購入してしまいました。このようなことが2~3回続きました。
当時の株式市場を振り返ってみると証券会社は手数料を稼いでいたのではないかと疑いざるをえません。
勧められるまま投資信託を購入してきたわたしの自己責任と言われればそれまでですが、もうこれからは投資信託を買うことはないと思います。
初めて挑戦し失敗してしまった、投資信託。
その後、解約と購入を繰り返した投資信託がどうなったかというと、わたしの記憶から抜け落ちていることがわかりました。
何度思い出しても思い出せないのです。
自分でいうのもおかしいですが、よほど失敗したことがショックだったんだと思います。