FXの高スワップ金利に目が眩んで失敗しました
Sさん(40代)
FXで取り扱っている通貨にはそれぞれスワップ金利というものが設定されています。
これは、その通貨を所持していると毎日日割りで得られる金利のことで、日本円との差額が実際の収益になる訳ですが、2014年当時、豪ドルはこれを3.5%も付けていました。
年利3.5%といえば、どんな定期預金などよりいい金利になります。そこで、試しに30万円に10倍のレバレッジを掛けて300万円分をちょうど100円のレートくらいで購入しました。
ところが世界的に原油価格の下落があった為に、その豪ドルのレートは約98円まで下がりました。
早くも約6万円の含み損です。スワップ金利こそ高いとはいえ、とてもそれでカバーできる範囲ではありません。
でもこんなことはよくあることで、すぐにまた回復するだろうと思っていたことと、含み損のまま確定させるのが嫌だった(これが一番いけないんですが…)ことから、しばらくそのまま持っていたところ、2015年になると更に約95円まで下がってしまいました。
高いレバレッジを掛けているので、1円や2円レートの変動があっただけでも結構な損失になります。この時点で15万円の含み損です。
購入した100円のままレートにほぼ変動が無かった場合、1年間でざっと10万円の金利が入ってくる計算だったのですが、その目論見は相当甘かったようです。
高いスワップ金利を設定している通貨は値動きが激しいというのが分かりました。
現時点で予定していた1年間の金利以上の含み損が出てしまっているので、とてもこのまま持ち続ける気にはならず、約95円の時点で売却して確定し、約13万円の損失でした。
2ヶ月少しポジションを持っていたので2万円弱のスワップ金利こそ得られましたが、これだけレートが下がってしまうと何の役にも立ちません。
ちなみにこの後更に92円台まで下がったので、そこまで持っていたら強制ロスカットになったかも知れません。
確かに高スワップ通貨はFXの魅力の1つですが、これを定期預金の金利のようなものだと考えるのは危険だということが分かりました。
よほどうまく売買を繰り返さないとこれだけで利益を上げるのは難しそうです。