過去最高値で買った株が400万以上の含み損
G.Wさん(50代)
父がまだ現役だった頃、株式相場は空前の勢いで盛り上がっていました。 誰でも三文株でも持っていれば上がる、というくらいに相場は高騰していました。
もともと山っ気のあった父は、止せばいいのに最高値にまで上っていた鉄鋼株に目をつけました。
鉄鋼株は大型株ですので、本来はめったやたらには動きません。せいぜい1円か2円の上昇といったグループです。
たまたま相場の暴騰により、大きな動きをしていましたが、非常に危険な投資と感じました。
私たち家族は反対しました。
しかし父は「信用取引ではいま動いている高値で買うのが本式だ」と主張し、自説を曲げません。
私たちは安定感のある薬品株を買うべきだ、と言ったのですが、どうしようもありません。
結局父は住友金属工業を5,000株買い求めました。
当時、確か900円以上はしていたと思います。
ところが購入後、ほんのわずかな期間で、住友金属工業は他の鉄鋼株とともに見る見るうちに下がり始めました。
凋落が始まると、もうどうしようもなくなってしまうのが株式というものです。
母も私たち子どもも目を覆うばかりの惨状に父を責めました。 けれどももう致し方ありません。
株式というものは一種の博打です。
損をするのも織り込み済みで投資を決意しなければなりません。 諦めだけは良いのが我が家の特徴です。
株価はさらに暴落し、下がりに下がって、半値どころか100円も切るほどになりました。
そのうち株価を見るのも面倒になり、新聞の株式欄も読み飛ばすようになっていました。
せめて配当でもくればまだ気持ちも収まるのですが、業績悪化で配当も出ない時期の方が多かったように思います。 たまに出ても1円か2円だったように記憶しています。
売るに売れないので今でも保有しています。
合併して現在は新日鉄住金となっています。