株の空売りで損切りを徹底できずにズルズルといった結果…
H.Kさん(20代)
私が投資を始めたのは、黒田総裁の大規模追加金融緩和があった2014年10月でした。どの株を買ってもだいたい値上がり益を享受できる状況にあり私自身もそれなりの利益が出ていました。
そして、その次の年の2015年8月中国の元切り下げに伴う大幅な株安がありました。
私はその時たまたま、日経平均ダブルインバースインデックス(銘柄コード:1357)というものを持っていました。
当時は現物取引しかしていなかったためこれを空売りに見立てて取引していました。
当然大きな利益になり、ここで初めて信用取引をしてみようと思いました。(信用取引は、いろいろなサイトや情報誌を見ていて初心者にはお勧めできないと書いていたし、空売りは損失無限大のリスクがあったので怖くて手が出せないでいました。)
信用取引を始めた時は、実は割と稼げたりしてたんです。
私のスタンスは、当該企業の有価証報告書等を読んでPERが割安か割高かどうかを判断し、チャートを見ながら取引していました。保有期間も数週間程度と比較的短いものが多かったです。
調子がいい時が一番注意が必要でした。
当時、相場そのものが弱気でしたので空売りを主として銘柄探しをしていたのですが、そこで目を付けたのがWSCOPEという会社でした。
ここは、リチウムイオンバッテリーのセパレータメーカーとして売り上げも順調に伸びている企業で、材料も豊富でした。
私も分析していたころはそのことは把握していた(つもり)でしたが、短期的には適正水準を大きく超えて割高であると思い、2016年3月に5100円で200株空売りをしました。相場の地合い的にも最適だと思ったのですが。
日経平均は弱かったものの、マザーズが連日の高値更新でした。
WSCOPEは2015年11月にマザーズから1部へ指定替えしていましたが、まだ時間がそんなに立っていなかったのか、マザーズに連動するように高くなっていってました。
空売りをする際は、損切を徹底する!とはじめた当時は思っていたくせに、いざとなるとできません。
「明日には下がり始めるだろう」と現実から目を背けていて結果的に2016年5月の決算発表の後の大暴騰のあとの最高値付近の6940円で堪えきれなくなって損切です。損失額は37万にもなりました。
もう一つの敗因は、資金余力が少ないにもかかわらず100万程度を空売りしていたことです。
「卵を一つのかごに入れるな」という投資格言があり私も当然知っていましたが安定的に利益が上がっていたこともありおろそかになっていました。
頭でわかっていても実際に行動するということは難しいことですし、人それぞれスタンスが全然違うと思いますが、損切の徹底だけは全員に共通する重要なことではないでしょうか。